トルコ旅行記Part8
カッパドキア、ギョレメのど真ん中「Sedef Restaurant」で腹ごしらえをした後は元気がチャージされ(食べ過ぎたので)、歩いてギョレメ野外博物館へと向かうことにしました。
ギョレメ国立公園・野外博物館
私の今回の旅の目的地の一つがそう、何を隠そう
ギョレメ国立公園・野外博物館"Göreme Açık Hava Müzesi"(以降、ギョレメ博物館)です。
ここには宗教的な歴史や興味深い伝説が詰まっており、絶対に一度訪れたいと思っていたのです。
(宗教・遺跡・都市伝説好きの私にはまさしくうってつけの観光スポット)
言わずと知れたユネスコ世界遺産の観光名所です。この地域は独特な地形がそのまま博物館となっており、その歴史的価値を一目見ようと多くの観光客が訪れます。
-主な特徴-
1. 奇岩群
1100年前の火山活動により噴出、堆積した溶岩や灰が凝灰岩となり、風化作用によって独特の形の奇岩群や柱を形成しました。
触るとサラサラと削れてしまう繊細さも持ちなが、巨大な岩として残っていることには慈しみすら覚えます。
2. 岩窟教会群
4世紀から13世紀にかけて造られた岩窟教会や修道院が多く残されており、内部にはキリスト教の歴史やビザンティン時代の芸術とされる作品を見ることができます。
3.修道院生活の歴史
ギョレメは早期キリスト教時代から中世にかけての宗教活動を行う修道士たちの拠点であり、洞窟を利用した教会や住居から当時の生活が伺えます。
-都市伝説やミステリー-
1.巨大地下都市の伝説
古代に侵略者から逃れるために建設された広大な地下都市が存在し、この時代には考えられない高度な技術力によって建設されたとも言われています。(地球外生命体の御業!?)
2.隠された教会
まだ発見されていない(意図的に公開されていない?)教会や特別な力を持つとされる場所があり、初期キリスト教の聖人たちが奇跡を行ったり重要な遺物を隠したと言われています。
3.瞑想と精神的浄化
洞窟や教会は瞑想や精神的浄化の場として知られ、瞑想することで心の平安や霊的な啓示を得られると伝えられています。
以上のようにギョレメ博物館は、その自然美と歴史的価値だけでなく、伝説や神秘的な言い伝えにより、世界中から訪れる人々を魅了しています。
背景を知ると景色がまた違って見えてきます。
博物館への道程
博物館へ向かう道すがら、様々なアクティビティの案内が目に入りました。
馬やラクダ、バイクやバギーツアーなど、カッパドキア観光をより楽しむためのサービスや工夫で溢れています。
この奇岩群を背景に馬で駆けるのはさぞかし気持ちがいいでしょう。
暑さに参りつつ、水分補給をしているとおじさまに声をかけられ、休憩させてくれました。
カタコトの英語と翻訳したトルコ語で世間話をしていると、途中でどうしても「バギーの練習をしてくれ」と頼まれて何周か走りました。
「俺の息子がここでバギーツアーの会社をやっているんだ!」とのことだったので目的はツアーの勧誘だったのでしょう。
お母様もテキパキとバギーの整理をしていてみんな家族想いですね。
バギーも迫力があり、好きなのですが個人的には移動手段としては小回りがきく乗り物の方が好きなんですよねぇ。
ギョレメ博物館の入り口に到着
街から30分ほど歩き、ようやくギョレメ博物館入口に着くと仔犬がお出迎えしてくれました。
この子についていくと…
なんと(きっと)三兄弟でした!
可愛いがもみくちゃになって集まっている…堪りません。
嗚呼眼福…
いつまでも眺めていたい気持ちを振り切って入場口へ。
受付でチケットを699リラ(3,500円)で購入。
勿論、クレジットカードを使うこともできます。
博物館の広大な敷地を散策
野外博物館というだけあってとんでもなく広大な土地です。
順路などの案内があるわけではないので
人流にのりながら巡っていきます。(下調べ甘すぎた…)
早速、数多くの洞窟が現れ、同時に雨も降ってきました。
みんな道中の窪みで雨宿りしながら進んでいます。
ここがダークチャーチへと続く道…
入り口から暗がりで雰囲気が出てます。
人の往来が激しいのでスイスイ進むには大縄跳びに入るくらいのリズム感が必要です。
洞窟が故に天井が低いところが多いので気をつけないと派手に頭を打ちつけます。
開けた場所に出ると、立派な装飾や造形が見えてきました。
▶︎Table cave
岩をくり抜いてこのように「形」にする、という発想が日本で生まれた私にはとても新鮮でした。
神社や寺なんかも石材や木材で作る、自然の土地を利用することはあっても
自然の岩そのものに住むことはなかなかないのでは。
隠れ住むことを選択せざるを得なかった当時のキリスト教修道士とこの土地の特性が相まって生み出したこれも一つの奇跡といえますね。
ダークチャーチ(The Dark Church / Karanlık Kilise)
ダークチャーチに到着。
有名な教会のほとんどはほとんどがカメラ禁止だったので写真には残っていませんが
その迫力と執念のようなものが強烈に記憶に残っています。
▶︎暗闇の教会(The Dark Church / Karanlık Kilise)
ひんやりとした空気が心地よく、壁から天井までみっちりと周りを埋め尽くす色鮮やかなフレスコ画。
キリストの受胎から磔、復活など私でも知っている内容が描かれていました。
壁の流れに沿ってキリストの物語が紡がれており、見れば見るほど新たな発見が得られます。
もっとキリスト教を勉強しておけばさらに感動できたかもしれません。
広い空間ではなかったのですがそれでも心底見入ってしまい、結構な時間を過ごしました。
この文字やマークにもそれぞれ意味や当時込められた想いがあるのかと思うと、どこを歩いていても目が離せません。
ふと、遠くを見ると雨に濡れて岩山が泣いているかのように見えました。
さらに奥に進むと
岩壁にカフェの案内を発見。
中に入ると素敵な空間が広がっていました。
洞窟の中にこんなに落ち着けるスペースがあるなんて外からだと考えられませんよね?
カッパドキアのレストランやホテルのこのギャップが堪らないんです。
洞窟にはこのトルコ柄?の家具がよくマッチします。
チャルクル教会(Çarıklı Kilise)
チャルクルと言うのは「サンダル」を意味するようで、キリストがサンダルを履いていることから名付けられたのだとか。
身につけているものが教会の名前になるなんて、すごいですね。
奥にはフレスコ画が描かれており、一部欠けているものの、色彩や温かみが伝わってきます。
▶︎Çarıklı Kilise (the Church with Sandals)
それにしても床のこの形は一体…
どのような目的で作られたのでしょうか。
お祈りをする場のようにも見えますし、最後の晩餐のテーブルのようにも見えます。
専門家ではないので想像するに留めておきます。
蛇の教会(Yılanlı Kilise)
かなり急な階段を登ると蛇の教会の入り口へ繋がりました。
▶︎蛇の教会(Yılanlı Kilise)
今までのフレスコ画と比べると(表現が難しいですが)古風な民族的な絵のようでした。
名前の由来でもあるのでしょうが、聖ゲオルギウスと聖テオドロスが巨大な蛇を退治する場面が壁画に描かれています。
特に案内などはない場所だったのですがこういった場所も至る所にあります。
雨宿りがてら中を覗くと
当時の人がここに暮らしていたのかなど想像を巡らせるのも楽しいです。
奥の窪みに腰掛けていたのかな。
カフェで一休み
出口までは戻ってきたものの、帰り道は雨足が非常に不安定で徒歩での移動は断念。
VIPTaksiドライバーのキリに連絡を取ってみることにしました。
本当に優しいね…もうギョレメ移動の時はこれからも頼らせてもらうね。
20分ほどかかるということなのでbarで一休み。
▶︎BAR DUCKS
以上です。
一つ心残りがあるとすれば「Buckle Church」に行けなかったことですね。
今回巡っていたエリアから少し離れていたようで見逃していたのですが
後で調べたらとても美しい場所のようでした。
次またカッパドキアへ来た時の楽しみにとっておきます。
次回はオルタヒサルの街をさらに深く案内していきます。
観光地も現地のローカルな良さもまだまだお伝えしたいことがたくさん。
大喜びでお答えいたします!
-naotrip-