トルコ旅行記Part15
カッパドキアの気球ツアーを終えて、オルタヒサルの街に戻ってきました。
今日はギョレメのリゾートホテルへ向かう日ですが、その前にGoogle mapで見つけて気になっていた洞窟教会に行ってみます。
此方は絶対に穴場スポットだと思います。
情報は少ないですが、フロンティアランナー精神を奮い立たせて、ラストオルタヒサルも相棒(レンタルバイク)で駆け抜けます。
孤独な道を往く
宿泊していた「El Mirador Cave House」から車で15分程のところに「パンジャルルック教会」があるようで、向かってみることに。
場所で言うと今回初めて訪れるÜrgüp(ユルギュップ)エリアに属しています。
地図を見て分かる通り、周りには何もない場所なので道中は孤独です。
街や観光地のような雰囲気を抜けると石畳エリア、そして荒れ果てた土路へ進みます。
雨の影響で泥濘んだ場所やガタガタとした段差の続く道を、非力な相棒(50ccバイク)と二人旅するのは心細いものです。(スタックしないことだけを祈ります)
他に人も車もないため、正しい道を進んでいつのかさえ分かりませんが、弱い自分を押し殺し、mapと直感を頼りに進みます。
▶︎迷いながらも地図を頼りに悪路を進行
なんとか目的地に到着すると、高台のひらけた場所にでました。
レトロで趣のあるツートンカラーの渋い車が渓谷を見下ろしていました。
どういう経緯でここに居ることになったのか気になりますが、久々に見た人工物にホッと一安心。
彼車の車生(歴史)に思いを馳せ、教会の入り口へ向かいます。
▶︎レトロな車が教会への目印
Pancarlık Churchへ
教会の手前には受付があり、全身黒づくめの恰幅の良い番人のおじさまが案内をしてくれました。
見た目完全に映画に出てくる恐ろしげなキャラのようでしたが、話してみると気さくで色々と世話を焼いてくれました。(ほぼハグリッド)
ここから坂を下ると教会に辿り着けるとのこと。
うろ覚えですが50リラ(250円)程の金額を支払い入場。
▶︎休憩スペースと売店にはお菓子や水などの用意もありました。
徒歩で来た場合にはここがオアシスに。
坂を下ると看板があり、ここがその目的地とのこと。
「あれぇ、なんだか思っていた(mapで見た)感じと違うなぁ」と思いましたが
岩窟好きとしてはとりあえず侵入してみます。
この大きさの巌窟を掘り抜くには相当な力と人員が必要です。
当時の人はどうやって作業していたのでしょう…
とりあえず、奥の窪みに腰でもおろして空気を味わうことにします。
▶︎こちらを飲み込もうとする教会の入口!?
「ん?」よくみると黄色い看板の矢印が差していたのはこの穴のことなのでは?
この大岩を差しているわけではなかったとしたら…
行ってみる価値は大いにアリ!
▶︎導くように光る抜穴
小さな扉形の横穴を抜け、岩壁伝いに歩みを進めます。すると、どうやら私の読みは当たっていたようです。
先ほどよりも大きく、明らかに人工物とわかる構造と装飾のある巌窟が姿を現しました。
この姿を見た時、理由はわかりませんが全身に鳥肌が立ち、肌が粟立つような感覚がありました。
その外観の異様さなのか、内部空間への期待からか、ここで過ごしていたキリスト教徒たちの今も残る「想い」を感じたからか。
渓谷内に位置しており、周囲は自然に囲まれているこの地に教会を建てたのは、異教徒からの迫害に避けて祈りを捧げる場が欲しかったから?
キリストの教えを遺したかったから?
これだけ立派な教会なのでこの地域に住んでいたキリスト教徒の礼拝や宗教活動における大きな役割を担っていたのでしょう。
兎にも角にもここまで来たら引き返すことは選択肢にないので、内部へ進みます。
https://maps.app.goo.gl/9Gdv4Aru8ZNVs6mu5
隠された洞窟教会の内部へ
正面の穴には後世に付けられたであろう簡素な鉄の戸が開いたままになっていました。
内部に一歩踏み入れると空気感が一気に変わります。
ヒヤリとした空気が肺の中いっぱいに満ちると、続いて凛とした厳かな空間の肌触りを感じました。
洞窟教会の内部は辺り一面がフレスコ画で埋め尽くされていました。
風化しているからか所々削れていますが、色鮮やかなキリストの物語がそこに残されていました。
ギョレメ国立公園で見たフレスコ画と比べても遜色がないほどに保存状態がよく、キリスト教の聖書物語や聖人の姿が描かれています。
聖母マリアやキリストの生涯を描いた場面は、暗闇の教会(The Dark Church / Karanlık Kilise)に通ずるものを感じましたがその芸術性はまた別物にも思えました。
▶︎この扉を潜った瞬間から空気が一変
▶︎側面の壁画
▶︎ドーム上の天井
見る角度によって与える印象が全く変わるように見えます。
▶︎壁画だけではなく丸を基調としたモニュメントも
この様な立体的な記号は初めて見ました。
壁画に組み込まれていることに何かの意味が…?
▶︎最深部から入口を見た時の景色
キリストの物語が迫りくるような感覚
360°の圧倒的な迫力を前に終始圧倒されていました。
私のような者への気遣いなのかトルコ絨毯が敷かれていたので、腰を下ろしてしばらくフレスコ画を眺めながらこの空間を堪能していました。
この洞窟教会にはもう一つ入り口があったことを思い出し、隣の部屋に行きました。
この部屋は全く異なる雰囲気を醸し出していました。
ギョレメ自然公園にもあったような赤いラインの引かれた全体図。
一際異様なのは奥にある祭壇?のようなものの存在。
真っ黒に黒ずんでいるので順当に考えればおそらく燭台か何かが置かれていたのだと思いますが、それだけの意味では無いようなこちらに訴えかけてくるナニカを感じました。
火を灯して祈りを捧げる場であったのでしょうか。
それとも迫害から逃れたキリスト教徒が何が別の目的を持って作った部屋なのか。
▶︎目を引きつける引力を感じます
この旅では自然が作り出した美しい風景や巨大な岩を利用して作られた壮大な城など、様々な場所に行きましたが、キリスト教の教会はいつもそれらとは異なる意味で心を震わせてきました。
それだけ多くの意味や想い、メッセージを込めて洞窟教会が創られ、隠れ、遺してきたのでしょう。
今日行ったパンジャルルック教会は観光地化されていないため、純度の高い想いが残っている様に感じられました。
さて、オルタヒサルの街を後にしてここからギョレメの街へ向かいます。
帰り道には「THE・カッパドキア」と言わんばかりの映えスポットがありました。
名残惜しいですが、最後に心震わす様な教会との出会いからハッピーな景色を見られて悔いはありません。
▶︎ETHEM USTANIN YERİ SEYİR TEPESİ
https://maps.app.goo.gl/sZqLVkcp22fzK6236
トルコ旅行記Part16は何処へ
まだまだ、カッパドキアの魅力を伝えていくのでお楽しみに!
大喜びでお答えいたします!
-naotrip-
➡︎Part 16はコチラ