トルコ旅行記Part12
ウチヒサル城を後にして、ピジョンバレー(Pigeon Valley)へバイクを走らせます。
Google Mapで確認すると、車でわずか4分と非常に近い距離にあることがわかりました。
トルコと日本の親交
ピジョンバレーに着くと、多くのツアーバスと観光客で賑わっていました。
大層人気なスポットのようです。(近くにいたからと軽い気持ちで訪れたのは私だけ?)
バイクを駐車場に停めていると、通りかかったトルコの女性に
「貴方日本人でしょ?私日本がとても好きなの」と声をかけられました。
彼女はバスの運転手をしており、ピジョンバレーにも頻繁に訪れるそうです。
こうしてトルコで過ごしていると、今まで行ったどの国よりも「親日」を感じます。
これは彼らが、学校の歴史授業で日本と関わりの深いエルトゥールル号の話を学ぶからでしょうか。
トルコと日本の絆は、1890年のトルコ軍艦エルトゥールル号の悲劇とその後の救出活動によって始まりました。エルトゥールル号は、オスマン帝国から日本に派遣された親善使節団を運んでいた船でした。彼らは日本とトルコの関係を深めるために訪日し、明治天皇に謁見し、両国の友好関係を固める使命を帯びていました。
しかし、エルトゥールル号は帰路に就いた際、台風に遭遇し、串本町大島樫野崎沖で難破してしまいました。この遭難事故では、587人の乗組員が命を落とし、わずか69人の生存者が奇跡的に救出されました。この事故で日本人が不眠不休で救助に努めたことや物資の支援を行なったことでトルコと日本の関係を深める契機となりました。
この出来事をきっかけに、「エルトゥールル号の恩返し」として知られる出来事があります。イラン・イラク戦争に巻き込まれイランから出国することができなかった日本人がトルコからの救援機によって215人救出されました。その際、トルコ人は飛行機ではなく陸路で撤退したそうです。この出来事は、トルコ人の日本人救出に対する感謝の念を示すものであり、日本とトルコの間に深い友情と絆を築くことになりました。
このような両国の友好関係を示す出来事は、日本人にも広く知ってもらい後世に残していきたいと思います。
トルコ名物EVIL EYE(邪悪な目)
ピジョンバレーへの入り口に人だかりができていました。
みんなこぞって不気味な木に何かをくくりつけています。
▶︎Evil Eye Tree
この「目」の様なもの、実はオルタヒサルやギョレメの街でも至る所で見かけました。
新しく造られた道路に埋め込まれている場所もありました。
これはトルコではNazar Boncugu(ナザールボンジュウ)、英名ではEvil Eye(邪悪な目)と呼ばれているそうです。
見た目も名前もおどろおどろしいですがこちらは、トルコでは破滅や災難から身を守ると信じられています。伝統的に、子供や家畜、家や車など、様々なものに取り付けられています。
邪悪なものへはそれに匹敵するもので対抗しようということでしょうか。
露天でも様々な種類ナザールボンジュウが売られていたのでお土産としても非常に人気が高いのですね。
これはもう…わかりません。。。
なんですかこれは、現代アートと言われれば納得します。
▶︎入り口から見処たっぷりなピジョンバレー
ピジョンバレーへ…
名前の通り期待通り、ビジョンバレーには大量の鳩が飛んでいます。
他の場所ではあまり見かけないのに、ここに集中して棲息しているのは何か理由があるのでしょうか。
▶︎在りとあらゆる所に鳩鳩鳩、しかし糞はあまり無い
少々急な道を下っていくとピジョンバレーが見えてきました。
こんもりと丸みを帯びた柔らかフェイスの可愛いらしい景観です。
ここから見える無数の穴はなんと鳩の集合住宅です。
古代の人々はこのように鳩をまとめて飼育することで、その糞を肥料として利用していたのです。
巨石達
この大岩がピジョンバレーの中でも【名所】の様です。
大岩の中はくり抜かれたような大きな穴が空いており、観光客皆、その中に入って写真撮影をしています。
上部の穴から足を投げ出す姿も見られます。
一旦、大岩の奥へ進んでみます。
こちらの道もなかなかにエキゾチックです。
どこから降ってきたのか道沿いに巨石が幾つも転がっています。
▶︎ピジョンバレー深部への道
道を進んでいると立派な二つの兄弟岩が迎えてくれました。
日の当たり方や自然の風化影響などによるものでしょう、見る角度によってその表情が全く変わります。
▶︎兄弟岩
▶︎巨石A
▶︎巨石B
折角なので敬意を表して挨拶をさせていただきます。
接している所からその圧倒的な存在感をビリビリと感じます。
巨大なものを身近にすることで畏怖の念が湧き上がって思わず首を垂れてしまいました。
▶︎大地のパワーを巡る
奥に進むと鳩小屋が続いていきます。
こんなにも良い家をお持ちなのであれば、あれだけの大家族がここに住み続けるのもよく分かります。
神の遣いのような美しい漆黒の鳩が急に目の前に降り立ちました。
メラニズムの鳩というのもいるのでしょうか。
高貴な雰囲気を纏って、じっと動かずにこちらに流し目をしていました。
合掌して、別れを告げます。
帰り道は同じ道でもやっぱり景色がまた変わって見えます。
自然が作り出した美しさは多角的に見て初めて、その真の魅力に気が付かされます。
帰路でカップルに声をかけられました。
何やら木に成っていた実を採っていたとのことで分けてくれました。
「この実を齧ってだな」
「中の白いのは食っちゃならねぇから取り出すんだよ」
そう言って渡してくれました。
食べてみると顔が縮こまるほど超酸っぱい。(カップルは喜んでパクパク食べていました)
でも最近フルーツを食べてなかったし太陽浴びているからビタミンが摂れそうなので有り難くいただきます。
この実はまだ若い杏子なのだそうです。
こう言った知識があると旅の楽しみも増えるなぁと素直に感心。
ピジョンバレーの恩寵
二人に別れを告げて、先ほど通り過ぎた【名所】へ向かいました。
ここを登るには舗装されていない急な坂を登る必要があるため、諦めている人もいました。
お気に入りのReebokのスニーカーのソールがしっかりと地面をキャッチしてくれたおかげで私は登頂が叶いました。
タイミング良く他の観光客はおらず、鳩までもが登頂を祝福をしてくれています。
穴からは綺麗にピジョンバレーが見えました。
日陰なので中はひんやりとしていて風通りがよく、とても涼しいです。
▶︎隠れ家感のある落ち着くスペース
▶︎中からの景色
先ほど見かけた人の真似をして足を下ろして見ます。
下から見上げた以上の高さを感じ、心臓が早鐘のように打っています。
めちゃくちゃ怖えェ…
高いところは得意なはずなのですが安全に配慮したものもなく、身一つで高所に投げ出され一歩間違えば怪我では済まない状況にクラクラしてきます。
ただ、慣れるとむしろ心地良くなり他の方が来るまでしばらく風を浴びていました。
▶︎黒い服が相まってコラージュ風
人の手がつかず、自然を思い切り感じられるピジョンバレー。
本当に最高のロケーションでした。
この後はオルタヒサルへの帰路につきます。
帰り道の景色も雰囲気があって本当に飽きない。
移動が楽しいと時間が濃密に感じられます。
トルコ旅行記Part13は何処へ
次回で城攻めもラストとなります。
大喜びでお答えいたします!
-naotrip-